幼い頃

傷つけるために用意された
言葉を聞いて
あなたはひどく怒った

私を抱き上げ外に放り出す


ガチャン


鍵を閉める音が響いて


もういらないんだと
どこか遠くへ行こうと


目の前の道を走った




砂利道に差し掛かった時
自分が裸足にパジャマだということに気付いた

いつもなら
何ともない家までの距離
果てしなく長くて



そうして思ったの



これが世界だと



誰も守ってくれない世界だと



見慣れた景色が滲んでゆく




曲がり角の向こうから
私の名前を呼ぶ
声が聞こえて



私は来た道を駆け戻る



見えた先に待っていた



右手にサンダルをもって



優しい笑顔の


あなたが