“見つめ合ったのは… これで 二度め…”


そう思いながら…
陽音もまた
恵倫子を引き寄せたまま
このまま時間が 止まればいいのに…
と、願った。



ふたりは、お互いに 露知らず
同じことを 想っていた…





「ママ…」

響の寝言で ふたりは、時間(とき)を取り戻す。



「早く中で 温まりましょう」



響を起こさないように言った 陽音の囁きに、
恵倫子は、心擽られながらも そっと頷いた。