沈黙に堪り兼ねて、恵倫子が、口を開いた。
「あの… …私…
シングルマザーになってから…、
男性と過ごす事は、無かったんです。
もう…男の人は要らない、
一人で立派に育てようって、
そう思って過ごして来ましたから…。
そんな中で、今日、突然に
憧れの 香大陽音さんと出逢えて…、
今日は…
私にとって、
打ち上げ花火のような…
ダイナマイトのような 衝撃で…
だから……
これ以上 香大さんと居たら…、
喜びよりも 緊張の方が増してしまって…
…私……
…どうかなってしまいっ…」
恵倫子の言葉の最後を待たずに、
陽音は、恵倫子を 強く 抱き寄せた。
突然のことに、恵倫子は、目を丸くする。
陽音は… … …気付いた。
“…そうかっ… …一目惚れだ…”
恵倫子を抱きしめながら、
陽音は、
自分の感情… 自分の行動…を振り返り…
自分の 気持ちに 気付いた…


