放課後、いつもの場所で。

コンコン―――――。

坂下くんが扉をノックすると中から

「どうぞー」

低い声が聞こえて一瞬ドキッと
心臓が跳ねる。

やば。何の心の準備もしてなかったよ…

ササッと前髪を整えて深呼吸。

って何で私こんなに緊張してんの。

1人自問自答してると
坂下くんがガチャッと扉を開けた。


「失礼します。2年2組の坂下です。係の挨拶に来ました」

「お、同じく如月…です」

「2組…坂下、如月ね」


まじまじと私たちの顔を見ながら
確認するように名前を呼ぶ先生。

あんまり顔を見ないでほしい…

私はすぐに顔を下に向けた。

如月…
そう呼ばれただけで顔がカァッと熱くなる気がしたからだ。

「よし、覚えた。宜しくな」

「「宜しくお願いします」」


ペコッと頭を軽く下げて
私たちは準備室を後にした。