「気をつけ、礼」

「!」


全生徒が頭を下げ、私も慌てて頭を下げた。

いつの間にか終わっていた校長先生の話。


あっぶなーい。

坂下くんに声かけてもらってなかったら、今頃爆睡してたよ。


「それでは次、新任の先生を紹介します」


生徒指導の先生の声が館内に再び響き渡る。

その一言に至る場所からザワザワと声がした。


この時期に新任の先生が来るのは珍しいからだ。


あれ、新任の先生って………
朝、さやかが言ってた人?

バッとさやかの方を見ると、さやかはピースをしていた。



「それでは先生、前へ」


その声に私は再び壇上の方へ視線を向ける。

スーツを着た男の人が少しずつ壇上へ上がっていくのが見えた。