海斗が女性をタクシーに乗り込ませるところを偶然見てしまった愛海。3日後、海斗を問い詰める為部屋にきている愛海。


「なんだよ、愛海。お前が俺に会いたいなんて嬉しいこと言ってくれるじゃん」
海斗は愛海の唇にキスしようとするが拒否された。

「ん?なんでだよ、キスさせろよ」
もう一度愛海にキスしようとすると、胸を押された。

「どうしたんだよ?なんかあった?愛海」
「それは、そっちでしょ!」
「は?」

愛海はあの時の様子をカメラに収めていた。
「じゃ、これはどういうこと?説明してよ!」
携帯の写真を海斗に見せる。
「っ!誰これ?知らねえな」
明らかに自分って分かるけど、とぼける海斗。

「なにとぼけてんのよ!どう見ても海斗でしょ!あの時女性をタクシーに乗せてたでしょ?」
「お前いたのかよ?」

「やっぱり、海斗じゃない!どこに行ったの!まさかあの女性、自分の部屋へ連れ込んでいけないことしちゃったとか、どうなの?ねえ!」
愛海のするどい勘に、黙ることしかできなかった。

バンッ。愛海はテーブルを叩く。
「愛海、落ち着けよ」
「落ち着いていられる?彼氏が浮気したかもしれないっていうのに」

海斗は愛海の手を握ろうとする。
「嫌!触らないで」
「なんでだよ......」
「正直に話したら?」
「.........」

「あ、そう。そういう態度とるなら私にも考えがあるから」
「お前なにしようとしてる?」

愛海は来夢に電話していた。来夢なら同じモデル仲間としてもしかしたら知っているかもしれないたら思ったから。

「もしもし、来夢?」

その声を聞いた海斗は。
「なんだよ、あいつ呼ぶのかよ。よりによって」
小さい声で話す。

「愛海ちゃん!どうしたの?」
「ちょっと今から出れる?」
「いいけど、愛海ちゃんの家?」
「ううん、海斗の家」

「海斗、いるの?そこに」
「うん、ちょっと聞きたいことあって」
「分かった、これこら行くよ」
「うん、待ってるね」


「これこら来夢来るから」
「なんであいつなんだよ」
「来夢が来れば、分かるんだから」


30分程で来夢が来た。ピンポーン。
「来夢?」
「ああ」

玄関を開ける。
「愛海ちゃん久しぶり」
「来夢!」
愛海は来夢の唇にキスした。


「っ!愛海ちゃん......」
「会いたかった、来夢」
来夢に抱きつく愛海。

「俺もだよ、海斗は?」
「中にいる。入って」
「お邪魔します」

リビングに行くと海斗がソファに座っている。
「よう、海斗」
「ああ」
愛海は来夢の手を握る。来夢もさりげなく握り返した。

「話ってなに?」
「あのさ、海斗女の人と寝たの?」

「ああ、その話か」
「やっぱり、ほんとだったんだ......」
愛海は胸の奥がぎゅっと痛んだ。

「来夢なんでその話知ってるの?」
「モデル仲間内の、風のうわさで聞いた」
「そうなんだ......」

海斗は来夢も愛海も見れずに俯いていた。
「海斗、お前最低だな!俺のことふざけんなって言ったくせに。愛海ちゃん傷つけて、なにやってんだよ。今のお前愛海ちゃん幸せにする資格ないよな。愛海ちゃんは俺がもらう」
「来夢......」
愛海は来夢の洋服の裾をぎゅっと握っている。

海斗は、立っている来夢の足を抱きしめ言う。
「お願いだから、それだけはやめてくれ。俺から愛海をとったらおれは生きてけない」
涙声で話すの海斗。

愛海は、こんなよわい海斗を見たことがなくて衝撃を受けた。静かに涙を流す。

「海斗、離せ」
「やだ!愛海をとるって言うなら俺はお前から離れない」
「お前いい加減にしろ!誰が愛海ちゃん奪うって言った?」

「え?今愛海はお前がもらうって」
「後ろで泣いてる愛海ちゃん、力づくで奪えるかよ」
海斗は涙目で来夢を見る。

来夢は海斗の涙を拭った。
「来夢?お前......」

「気づけよ、愛海ちゃんの気持ち。泣いてるってことは、まだお前のこと好きってことだろ!しっかりしろ、海斗!」

海斗は来夢から離れ、後ろにいる愛海を抱きしめた。

「愛海!ほんとごめん。俺どうかしてた」
「ううん、私もいけなかった。来夢とキスしたりして」
愛海も涙声になっている。


「俺のこともう嫌いか?」
「なんでよ、大好きだよ。海斗」
「愛海......」

海斗は愛海の唇に優しいキスをした。
「ん......」

そばで見ていた来夢は。
「わお!衝撃的。俺邪魔かな」来夢はさりげなく帰ろうとするが。

「来夢!待てよ」
海斗は来夢を抱きしめる。

「なんだよ、海斗」
「ありがとな、お前の優しさに感謝する」
「なにお前、気持ち悪いんだけど」

「これから、お前のこと邪険にしないよ。来夢は俺のたった1人の兄貴だからな」
海斗は突然来夢の頬にキスをした。

愛海も海斗の初めての行動に声をあげた。

「あっ!海斗が来夢にキスした‼︎
「っ!お前の?気持ち悪いっての!ホモじゃねえんだから」
その様子を見ていた愛海は笑顔になる。

「仲直りの印に、唇にキスさせろ!」
「は?なんだそれ!やめろ、気持ちわるい!キスなら愛海ちゃんにしろよ」
海斗は肩を尖らせて、来夢の唇にキスしようとする。

来夢は遠ざかる。
「愛海にはいつでもできる。お前とはこれが最初で最後だから、な?」
海斗に両肩を掴まれて。

海斗と来夢は、触れるだけのキスをした。
「うわ!やっぱり男同士のキス気持ち悪すぎー!」
愛海は叫ぶ。

「なんだと!兄弟愛だぞ!」
「愛海ちゃん、キスしよう?幼馴染として」
「うん!」

来夢は愛海に幼馴染として唇にキスした。
「ん......」

そして海斗は提案する。
「明日休みの人!」
「はーい!」
3人とも手をあげる。

「じゃあ、今日は3人でここで寝よう!」
「っ!そういえばそんなことなかったよね。そうしよう」

2人は海斗の部屋に泊まる。
ライムがソファでいびきをかいて眠っているのを確認して、海斗と愛海は。

「来夢起きないよね?」
「大丈夫だろ。もし起きたとしても見せつけてやればいいよ」
「海斗ったら」

海斗と愛海はもう一度愛を確認した。

「んー!愛海ちゃーん!」
来夢が寝言で叫ぶ。

「ふふ、来夢寝言言ってる」
「どんな夢見てんだか」
「そうだね」

「愛海、愛してる」
「私も愛してる、海斗」
海斗が愛海をリードした。