「愛海!許さねえ!」
海斗は階段を駆け上がって行く。
部屋のドアをどんどん叩く。
「えっ、もしかして海斗......」
「愛海!俺海斗、開けろよ!」
愛海は恐る恐る鍵を開けた。
「愛海!お前あいつと寝たのかよ?」
「えっ、あの......」
海斗は愛海の目をじっと見て怒っている。
近づいて壁に追いやる。
背中が壁についた。
「え!どうなんだよ、愛海!」
ドンッ。壁に手をついた。
「っ!」その音にビクッとした。
「来夢とキスした......」
目をそらす愛海。
今度は顎を持ち上げられて。
「許さねえ!お前の身体全部消毒するからな」
愛海の唇を塞いだ。
「ん......」
長いキスで苦しくなった愛海は、海斗の胸を押す。
「ん......ちょっと嫌!」
押しても海斗はすぐキスしてくる。
「んんんんん!」
海斗の胸を押して、頬を叩こうとした。が海斗に手首を掴まれて、またキスされた。
海斗は唇を離し、額をコツンとあわせた。
「あいつとキスしたって聞いて、俺がどんな思いでいたか、愛海に分かるか?」
「......」
黙り込む愛海。海斗は愛海の目をじっと見る。
「そうさせた海斗も悪いよ」
「は?俺のどこが?」
「人前でも構わずキスしたり、ドキドキさせることばっかりするから落ち着かない。居心地悪いっていうか」
「そうかよ、じゃもう言わねえからな」
「なんにも言わないのは嫌だけど」
「女ってよく分かんねえよなあ、言ったら言ったでドキドキして落ち着かない、言わなきゃ怒るし、どうしてらほしいんだよ?」
「女は男の人に口に出した愛情表現してほしいの」
「ふーん、わがままだな」
海斗はニヤリと笑みを浮かべて、触れるだけのキスをした。
海斗の優しいキスを感じて、自分からキスしようと背伸びをするけど背の高い海斗の口まで届かない。
「んー」
「なにやってんの?」
「んー!」
つま先立ちで海斗にキスしようと頑張る愛海。
「俺にキスしたいの?」
「うん」
「じゃあ、あいつと二度としないって誓えるか?」
「うん、誓います」
「よし!言ったな。愛海が嫌って言ってもやめないからな」
「うん、いいよ」
「愛海、愛してる」
「あっ!海斗言っちゃったね。愛の言葉」
「っ!このやろう、あいつが触ったとこ全部消毒してやる」
海斗は愛海をお姫様抱っこして、寝室に消えた。
一方来夢は。
やっぱり、俺愛海ちゃんに会わないの無理だ!と頭をかいて髪をボサボサにしていた。