「ったく、強情だな……。仕方ない。じゃあ俺が食べさせてやる」 「え……? どうしてそうなるの?」 青ざめる私をよそに、喜々として暁さんが包装紙を解き出した。 あれよあれよという間に、その指が立方体の形をしたビターチョコレートが挟まれている。 「ほら、口開けて」 「やっ、やです」 じりじりと、暁さんが私の方ににじり寄って来る。 「俺に食べさせるのと、俺が食べさせるの、どっちがいいんだ」 「その二択がおかしいんですっ!」 私は、押されるように座ったまま後ずさる。