彼と奈美が結婚した日は、酔い潰れるまで飲んで泣いた。 何度も拭ってティッシュペーパーの箱が空になっても涙は止まらなかった。 それでも翌日は仕事に行った。 頑張った分だけ仕事は応えてくれる。 「君の仕事は正確で速い。本当に助かってる」 失恋の傷を癒すには足りなくても、顔を上げて前を見る手助けをしてくれた。 どんなに面倒な仕事でも、面白味のない仕事でも誠実に向き合って来たつもりだ。 そう思っていたのに――。 昨日、終業時間間際に出された辞令で、主任に昇任していたのは奈美だった。