そして試合終了後。
私の心臓は異様に高鳴り、

彼がさっきまでいた場所をじっと見つめ呆然と立ち尽くす事しかできなかった。

一目惚れ…

それ以外に言葉が見つからなかった。

どうやら短時間で彼に心を奪われてしまったようだ…。

「あ〜、うちのクラスダメダメだったねぇ…。」

一緒に応援に来ていた愛がそう言っても、ろくな返事はできなかった。

「ねぇ、愛。」

「うん?」

「相手のチームってどこだか分かる?」

「えっと確か3年6組だった気が…。」

「3つ隣か…ちょっと、行ってくる!!!」

「え、ええ!?」

気づけば試合が終わり体育館を出る彼を追いかけて走っていた。










彼の後ろ姿が見えた。

歩くスピードを下げ、呼吸を整える。


「あ、あの…すいません!」

勇気を出して後ろから声をかけると、
振り向いてくれた。

「お、俺?」

彼は私を見て一瞬、驚いたように目を見開いた。

もしかしたらメイクが落ちている?

髪が凄い有様になっている?

色々な不安があるけど腹をくくって

一世一代の勝負に出た。






「私と写真撮って頂けますか!!!」