「ごめんね、付き合うとかは出来ないんだ。」
一ノ瀬 纈。13歳。私は、卒業式前に2年間片思いをしていた先輩に見事振られた。
振られるなんてわかっていた。ただ、どこか期待している自分がいた。
「なんで謝るんですか…。私が悪いんです。会話もした事がないし、友達でもないのに告白なんてするから…。勝手に好きになってごめんなさい…。」
そう言い残し、私は走った。
宛もなく走り、着いたのは階段の隅。私はそこに、腰を下ろした。
「はぁ…。もう、恋なんて嫌。」
恋なんてしない。そう誓った日。