三日後
その日は来た。
お世話になった日和の家へ挨拶をして、バイトを早く切上げ、帰路を行く。
エルは相変わらずどこにいるかわからないが、ひとりで乗り越えると決めた。
『大丈夫、大丈夫…』
家に近付く程、寒さを忘れて胸が忙しなく動く。
ーカチャ
鍵を開けて中に入った。
驚くほど静かだ。
誰も…いないみたい。
その代わりに、机の上に手紙が置いてあった。
『“Le secret est à l'intérieur de toi”』
秘密はあなたの中に…
封筒を開いて私はすべてを
リィズ家の秘密を
思い出した。

