私が何故あの時別れを告げたのか。

きっともう、彼女達のそばにはいられないと悟ったのだ。

悪魔や天使といった存在を人間にバレてしまうのはご法度。

もしかしたら狙われるかもしれない。

なんてことをしてくれたんだと

玲夜を引き裂いてやりたい気分だ。

できたら楽なのだが……。

だから私達は伊織を取り戻す意外にも彼女達を守らなくてはならない。

「いつかは、バレる時がきた。」

『バレなかったかもしれない。』

あいつさえいなければ

私は宙の家で長くなったストロベリーブロンドの髪を纏めた。

カラコンを外して目薬を注す。

最近は目が金色のままなのだ。

「魔界にいくの?」

宙が暗い顔で聞いてきた。

『宙はいかないの?』

「あんな場所に君を連れて行けない。」

ふざけないで

そう言い飛ばしたい気分だったがそんな気力はなかった。

『悔しくないの。』

思ったよりも弱々しい声に、自分でも驚いた。

「……奴の思う壷だ。」

『そんなのっ今は関係ないっ』

どうして宙は否定するの?

だいたい

宙が私達を出会わせてくれたんだよ?

見損なった

そう言い残して私はエルを連れて部屋を出る。

「何処へ……」

『決まっているでしょ。』

私はさっきの玲夜のように宙に笑った。