「美夏、兄貴に電話入れて今から病院連れて行くって、あ、後タクシーも呼んでおいて」
次々と美夏に指示を出していく葵。


さすが、夏樹さんの弟…。


「分かった!!」
部屋を飛び出して行く。


「ひな!!深呼吸して…」
と優しく、声を掛けてくれる葵。


「スッハ-ゲホッゲホッスッハ-ゲホッ…」
頑張って深呼吸をしようとしても
咳が辛くできない。


「慌てなくっていいから、ゆっくり呼吸しよ…。吸って 吐いて 吸って」
頑張って葵の言う通りに呼吸をする。
でも、やっぱり無理だった。


「葵、タクシー2、3分したら到着するって後、夏樹さんが緊急外来の方で待ってるって!!」
ドアを行きよい良く開ける。


「分かった!ひな、今から病院に行くから意識頑張って保っててね」
そう言うと、私の体が宙に浮く。


「ゲホッゲホッゲホッ…ハァハァゲホッゲホッハァハァハァゲホッゲホッハァハァハァ」
苦しいよ……。
そのまま私は意識を手放した。