仮面で顔を隠し、名前も身分もわからないアデルを、セドリックが狂おしいほど恋慕する。
だからこそライアンには、セドリックがアデルに本気で恋をしていることがよくわかる。
けれど鈍いセドリックがすぐそばにいるアデルだと気付かないから、ややこしくなっているだけ。
そういう点で、ライアンはアデルに仮面を貸したことを後悔していた。
あの時もしも、アデルの顔を隠す道具を与えなければ。
そうしたら、セドリックはドレスを着たアデルと普通に出会い、そして普通に求婚できたのでは?
……と考えて、それはないなと思い直した。
今となっては、これもライアンの推論でしかないが……。
素顔のアデルと出会っても、セドリックの性格からすると、恐らく素直に恋心を抱くには至らなかっただろう。
きっと、アデルがあの時言っていた通り、本心を隠してからかい、意地悪なことを言って……結局アデル以外の姫君を妃に選ぶのを強いられただけだったのでは?と。
仮にセドリックが素直にアデルを選んでいたとしても、アデルは今以上に彼に反発していただろう。
どんなに男勝りだろうが、女騎士見習いであろうが、アデルは立派な女で、侯爵令嬢だ。
セドリックが王太子として選ぶ以上、それは『命令』になる。
彼の求婚を拒否できるわけがない。
だからこそライアンには、セドリックがアデルに本気で恋をしていることがよくわかる。
けれど鈍いセドリックがすぐそばにいるアデルだと気付かないから、ややこしくなっているだけ。
そういう点で、ライアンはアデルに仮面を貸したことを後悔していた。
あの時もしも、アデルの顔を隠す道具を与えなければ。
そうしたら、セドリックはドレスを着たアデルと普通に出会い、そして普通に求婚できたのでは?
……と考えて、それはないなと思い直した。
今となっては、これもライアンの推論でしかないが……。
素顔のアデルと出会っても、セドリックの性格からすると、恐らく素直に恋心を抱くには至らなかっただろう。
きっと、アデルがあの時言っていた通り、本心を隠してからかい、意地悪なことを言って……結局アデル以外の姫君を妃に選ぶのを強いられただけだったのでは?と。
仮にセドリックが素直にアデルを選んでいたとしても、アデルは今以上に彼に反発していただろう。
どんなに男勝りだろうが、女騎士見習いであろうが、アデルは立派な女で、侯爵令嬢だ。
セドリックが王太子として選ぶ以上、それは『命令』になる。
彼の求婚を拒否できるわけがない。
