碧眼の王太子は騎士団長の娘に恋い焦がれる

アデルの視線を受けながら、セドリックは頬を赤らめ、照れ臭そうに髪を掻き乱し続けている。
そんなセドリックに戸惑いながらも、彼の胸の高鳴りが伝播するかのように、アデルの鼓動もドキドキドキと加速し始めた。


なんとも居た堪れない思いで、アデルは勢いよく俯いた。
セドリックは、名も知らぬ姫君への恋心を幼なじみに語っているだけだろうが、アデルはまさに彼の自分への告白を聞いているのだ。


(わ、私に恋焦がれてるだなんて……!)


厳密には自分に言われているわけではない。
そうわかっていても、アデルの身体は熱くなり、変な汗を滲ませてしまう。
鼓動は既に、ドッドッと脈打つような音を立てていた。


「……アデル?」


語りかけていたセドリックも、アデルの真っ赤な頬に気付き、彼女の顔を怪訝そうに横から覗き込む。
顔を俯け、足の上に置いた自分の手元ばかりが映っていた視界に、突然セドリックの顔が映り込み、アデルはギョッとして大きく目を見開いた。
そんな彼女に、セドリックはわずかに眉を寄せる。


「な、何?」


慌てて目を逸らそうとしたアデルの頬に、セドリックは手を伸ばし、「待って」と止めた。


「えっ、セ、セディ!?」


突然頬を触れられて、アデルは上擦った声をあげた。