碧眼の王太子は騎士団長の娘に恋い焦がれる

「う、うるさいわねっ! そう言うセディだって、もうすぐ二十一歳じゃない! 一国の王太子ともあろうお方が、二十一になるのにお妃様の一人もいないなんて。あなただって、私と同じ嫁き遅れみたいなものでしょ」


からかうようなセドリックの言葉に憤慨して、アデルは大きく頬を膨らませる。
しかし。


「ふふ。そうだね。でもそう言うわけで、今度の僕の誕生パーティーは、お妃選びも兼ねるらしいんだ」

「えっ……?」


精いっぱいの嫌味を淡々と遮られたアデルは、面食らって何度も瞬きをした。


「近隣諸国の姫君を多数招待してね。今までで一番壮大で豪華なパーティーになるみたいだよ」


アデルは思わずセドリックを振り仰ぎ、その美しいサファイアのような蒼い瞳をジッと見つめてしまう。


「驚くことじゃないだろう? アデル。お前の言う通り、セディは王族だし、二十一で独身なら立派な嫁き遅れなんだから」


アデルの反応を見て、ライアンは愉快気にクッと肩を揺らして笑った。


「お、驚いてるってわけじゃ……」


ライアンにツッコまれ、アデルはなぜだか落ち着かない気分になる。
何をどう反応していいかわからず、彼女は腰に挿した剣に無意識に手を遣っていた。