アデルに逃げられ、結局ライアンを相手に剣を振るった後、セドリックは地面に座り、青い空を見上げてふうっと太い息を吐いた。
隣に座ったライアンが、彼の溜め息を聞いてわずかに苦笑するのがわかる。
「なんだよ? ライアン」
その笑いの意味がわからず、セドリックは眉を寄せた。
問われたライアンは『いや』と短く答え、首を振るだけだ。
それを見て、セドリックは再び大きく空を仰ぐ。
「……なあ、ライアン」
「ん?」
「アデル……なんか怒ってる? 機嫌悪い」
つい先ほど、顔を背けたまま挨拶もせずに立ち去ってしまったアデルを気にして、セドリックはそう訊ねた。
彼の質問に、ライアンは肩を竦めて笑っている。
「さあ? 月の物じゃないか?」
「……そういうデリカシーないこと、口にするなよ」
ライアンから返ってきた言葉にわずかにムッとしながら、セドリックは膝を抱え込んだ。
「昨夜も護衛に入ってなかったしさ……アイツ、どこにいたの?」
「さあな」
のらりくらりと同じ言葉で交わすライアンを、セドリックは軽く睨みつけた。
視線を感じたのか、ライアンが肩を竦める。
「アデルのことなら、大丈夫だよ。さっき久しぶりに稽古で負けたから、気が立ってるんじゃないのか?」
「っ……アデルが負けた!?」
隣に座ったライアンが、彼の溜め息を聞いてわずかに苦笑するのがわかる。
「なんだよ? ライアン」
その笑いの意味がわからず、セドリックは眉を寄せた。
問われたライアンは『いや』と短く答え、首を振るだけだ。
それを見て、セドリックは再び大きく空を仰ぐ。
「……なあ、ライアン」
「ん?」
「アデル……なんか怒ってる? 機嫌悪い」
つい先ほど、顔を背けたまま挨拶もせずに立ち去ってしまったアデルを気にして、セドリックはそう訊ねた。
彼の質問に、ライアンは肩を竦めて笑っている。
「さあ? 月の物じゃないか?」
「……そういうデリカシーないこと、口にするなよ」
ライアンから返ってきた言葉にわずかにムッとしながら、セドリックは膝を抱え込んだ。
「昨夜も護衛に入ってなかったしさ……アイツ、どこにいたの?」
「さあな」
のらりくらりと同じ言葉で交わすライアンを、セドリックは軽く睨みつけた。
視線を感じたのか、ライアンが肩を竦める。
「アデルのことなら、大丈夫だよ。さっき久しぶりに稽古で負けたから、気が立ってるんじゃないのか?」
「っ……アデルが負けた!?」
