碧眼の王太子は騎士団長の娘に恋い焦がれる

「ところで、姫。先ほどから気になっていたのですが、あなたは私のお妃候補として招待された姫君ではないのですか?」


そう問われて、アデルの胸が大きくドッキンと跳ね上がった。


確かにセドリックの言う通り、アデルは正式な招待客ではなく、そもそも彼のお妃候補に挙がったわけでもない。
この場をどう切り抜けようかと焦るアデルに、セドリックがそっと腕を伸ばした。


「ひゃっ……!?」


不覚にも身構えるのが遅れ、セドリックの手がアデルの肩を掴んだ。
その手を振り払おうと上げた腕を、彼のもう片方の手で掴み取られてしまう。


「仮面で顔を隠しているのも何故だろうと……どこかの国の刺客……ってことはないかな。さっきあなたは我が王国騎士団の騎士と話をしていましたからね。あなたが敵と言うことになれば、私はライアンまで疑わねばならなくなる」

「ち、違います、私はっ……!」


セドリックの想像がまったく予想外の方向に向けられるのに気付き、アデルはギョッとして声をあげた。
自分だと気付かれるかどうかではなく、セドリックとは兄弟のように育ったライアンを、彼が敵と疑うような事態になっては大変だ。


「それなら、せめてその仮面を外してはいただけませんか? 正式な招待客ではない上、仮面を着けられてしまっては、怪しんでくれと言っているようなもの」

「あっ……ダ、ダメですっ……!!」