アデルはそう言いながら目を伏せた。
手にした紙片を見つめながら、兄に向けたのと同じ言葉でセドリックに断った記憶が蘇ってくる。
(そう、王国騎士団は立派な騎士の集まりだもの。みんな崇高な精神のもと、鉄壁の覚悟を胸に、気高く任務に臨んでる……)
アデルの胸を過る王国騎士団の騎士道精神には、ライアン自身、強い誇りを持っている。
だからこそ彼も、アデルへの返事に窮し口ごもっていた。
そんな兄の心の中が、アデルには手に取るように感じられる。
ライアンはアデルの抱える迷いに気付いていたのかもしれない。
アデルが騎士になる自信を失っていたから、騎士以外の在り方へ、彼女の思考を導こうとしてくれたのかもしれない。
「……ありがとう、お兄様」
ライアンから向けられる愛情を強く感じ、アデルは心の底からの礼を口にした。
「アデル?」
先ほどアデルが放った言葉の後、黙っていたライアンが、ハッとしたように彼女を見つめる。
アデルは何も言わずにふっと微笑み、ライアンから目を逸らして空を見上げた。
(私は、セディから頼まれたんだから。与えられた役目を果たさないと)
鮮やかなオレンジに色づいた空を見つめながら、アデルは込み上げてくる感情を抑え込んだ。
手にした紙片を見つめながら、兄に向けたのと同じ言葉でセドリックに断った記憶が蘇ってくる。
(そう、王国騎士団は立派な騎士の集まりだもの。みんな崇高な精神のもと、鉄壁の覚悟を胸に、気高く任務に臨んでる……)
アデルの胸を過る王国騎士団の騎士道精神には、ライアン自身、強い誇りを持っている。
だからこそ彼も、アデルへの返事に窮し口ごもっていた。
そんな兄の心の中が、アデルには手に取るように感じられる。
ライアンはアデルの抱える迷いに気付いていたのかもしれない。
アデルが騎士になる自信を失っていたから、騎士以外の在り方へ、彼女の思考を導こうとしてくれたのかもしれない。
「……ありがとう、お兄様」
ライアンから向けられる愛情を強く感じ、アデルは心の底からの礼を口にした。
「アデル?」
先ほどアデルが放った言葉の後、黙っていたライアンが、ハッとしたように彼女を見つめる。
アデルは何も言わずにふっと微笑み、ライアンから目を逸らして空を見上げた。
(私は、セディから頼まれたんだから。与えられた役目を果たさないと)
鮮やかなオレンジに色づいた空を見つめながら、アデルは込み上げてくる感情を抑え込んだ。
