碧眼の王太子は騎士団長の娘に恋い焦がれる

「アデル。明日のパーティー……お前は警護に就かずに、この間と同じように、ドレスを着て紛れ込まないか?」

「……え?」


予想もしなかったライアンの言葉に、アデルは大きく目を丸くした。
そんな彼女に言い返す隙を与えず、ライアンは更に続きを捲し立てる。


「いや、だってアデル! 明日のパーティーで、セディは今度こそお妃を決めるんだぞ?」


勢いに任せたように、ライアンはアデルの腕をギュッと掴む。
一瞬怯んだアデルを気にせず、ライアンは畳みかけてきた。


「確かにお前は正式な招待客じゃないが、この間と同じようにお前が紛れ込めば、セディはきっと……」


まるで自分のことのように必死に続けるライアンに、アデルは心底から驚いていた。
しかし、彼が放った言葉には眉を寄せ、鋭い瞳を向けて遮る。


「明日は誕生パーティーの時よりも、潜り込むのは大変だわ。招待客は少なくなってるのに、騎士は至る所に配置されてる。この警護は厳重よ。これじゃあネズミだって忍び込めないわ」


アデルは兄から受け取ったばかりの紙片をヒラリと翳して見せた。


「王国騎士団の警護に隙はない。正式な招待客じゃなければ、広間に近付くことも適わないわ。そうでしょう? お兄様」