「痛み止めが効き始めています。完全に効いたら眠ってしまうでしょうから、その前に会ってお話した方がよろしいのでは?」
どこか悪戯っぽく微笑んでアデルに目礼すると、医師は先に行った仲間たちを追っていった。
アデルはその背が見えなくなるまで見送り、セドリックの部屋のドアに向き合った。
何度かノックを躊躇ってから意を決し、アデルは一度大きく息を吸ってゆっくりドアを叩いた。
「どうぞ」
中から返ってきたのは王妃の声だった。
アデルはゴクッと喉を鳴らしてから、ドアを開ける。
「し、失礼します。王国軍騎士団見習いの、アデル・ブリジット・アシュレーです」
一気に名乗り上げ、王妃の視線が自分に向くのを感じながら、アデルは深々と頭を下げた。
「頭を上げなさい、アデル」
王妃から言葉を賜り、アデルはおずおずと姿勢を正す。
再び上げた視界の中で、「アデル」と言いながら、寝台に身体を起こそうとするセドリックの姿が目に映った。
「あっ……! ダメっ……!」
アデルが焦って声をあげるのと同時に、セドリックが苦痛に顔を歪める。
アデルは王妃の前だということも忘れ、彼の寝台の傍らに駆け寄った。
どこか悪戯っぽく微笑んでアデルに目礼すると、医師は先に行った仲間たちを追っていった。
アデルはその背が見えなくなるまで見送り、セドリックの部屋のドアに向き合った。
何度かノックを躊躇ってから意を決し、アデルは一度大きく息を吸ってゆっくりドアを叩いた。
「どうぞ」
中から返ってきたのは王妃の声だった。
アデルはゴクッと喉を鳴らしてから、ドアを開ける。
「し、失礼します。王国軍騎士団見習いの、アデル・ブリジット・アシュレーです」
一気に名乗り上げ、王妃の視線が自分に向くのを感じながら、アデルは深々と頭を下げた。
「頭を上げなさい、アデル」
王妃から言葉を賜り、アデルはおずおずと姿勢を正す。
再び上げた視界の中で、「アデル」と言いながら、寝台に身体を起こそうとするセドリックの姿が目に映った。
「あっ……! ダメっ……!」
アデルが焦って声をあげるのと同時に、セドリックが苦痛に顔を歪める。
アデルは王妃の前だということも忘れ、彼の寝台の傍らに駆け寄った。
