セドリックとの腕や足の長さの違いを計算する余裕がないほど、アデルはただ闇雲に剣を振るう。
防御に徹するセドリックが攻撃に転じ、その構えが綻ぶ一瞬の隙を狙い、間合いも取らずに突っ込んでいく。
その為、二人の距離は近付く一方。
戦いは完全なる接近戦に移行していた。
ひたすら攻撃を繰り出すアデルに反して、セドリックの方は最初の一撃からずっと防御体制だった。
そのおかげで、彼の呼吸はほとんど乱れていない。
彼女の剣を受けながら、セドリックには首を傾げる余裕があったほどだ。
そして、アデルの攻撃や剣構えを見据えていたセドリックは、その足がふらついたのに気付いた。
「はあっ」という掛け声と同時にアデルが横から払った剣を、彼はロングソードを縦に構えて防ぐ。
ガキーンと一際重い音を立てて二本の剣が交わった。
アデルは一度剣を引くだけで、構え直すこともなく、更にセドリックに突っ込んでいく。
しかし、何かに追い立てられたように剣を振るうアデルの勢いに、彼女の身体がついていかない。
セドリックは、アデルの足が縺れるのを見た。
「っ、危ない、アデル……!」
剣を振り上げたアデルが大きく身体のバランスを崩すのを見て、セドリックは片手で彼女の腕を掴み取った。
防御に徹するセドリックが攻撃に転じ、その構えが綻ぶ一瞬の隙を狙い、間合いも取らずに突っ込んでいく。
その為、二人の距離は近付く一方。
戦いは完全なる接近戦に移行していた。
ひたすら攻撃を繰り出すアデルに反して、セドリックの方は最初の一撃からずっと防御体制だった。
そのおかげで、彼の呼吸はほとんど乱れていない。
彼女の剣を受けながら、セドリックには首を傾げる余裕があったほどだ。
そして、アデルの攻撃や剣構えを見据えていたセドリックは、その足がふらついたのに気付いた。
「はあっ」という掛け声と同時にアデルが横から払った剣を、彼はロングソードを縦に構えて防ぐ。
ガキーンと一際重い音を立てて二本の剣が交わった。
アデルは一度剣を引くだけで、構え直すこともなく、更にセドリックに突っ込んでいく。
しかし、何かに追い立てられたように剣を振るうアデルの勢いに、彼女の身体がついていかない。
セドリックは、アデルの足が縺れるのを見た。
「っ、危ない、アデル……!」
剣を振り上げたアデルが大きく身体のバランスを崩すのを見て、セドリックは片手で彼女の腕を掴み取った。
