私は象がいいの。



「おはよう!お前何か暗くね?」

同じクラスで 幼稚園の頃から一緒の
幼なじみ " 剛(たける)"が声をかけてきた

いつも寝坊ばかりする割には
学力はトップクラス、そんな剛が
朝僕に話しかけるのは入学式ぶりだった

「おはよう…今日は朝から気分が乗らなくてね」

正式に言えばたった1人の怪獣に
調子を狂わせられたもんだから
気分がいい訳がない。

「そうか…寝不足かなんかか?
ちゃんと寝た方がいいぞ!まじで」

お前と一緒にするなと言い返す余裕も無く
周りから見たら本当に暗いであろう僕は

「そうだな。ちゃんと寝るよ」

その言葉だけを剛に返した。

「てかよ!あいつ本当に可愛くなったよな…1ヶ月学校に来なくなったと思ったら
あんな姿になって学校来やがって
あいつ絶対仮病かなんかだろ!なっ?」

その時剛が何を言って誰の事を話してるのか
僕にはさっぱり伝わってこなかった。