藤真にパスを出したのは、梅野柊(ウメノシュウ)。
彼もまた3年生で、藤真の親友だ。


「おーい!藤真!悪いけどそこのボール取ってくんねぇ!?」
仲間たちと喜んでいたところに、遠くからそんな声が聞こえた。
ふと足元に目を向けると、そこには声の主が飛ばしてきたであろうサッカーボールが転がっていた。


「オッケー!いくぞー!」
藤真は思いっきりそのボールを蹴った。
「やっべぇ、強すぎた!」


力強く蹴ったボールはグラウンドの向こうにある花壇まで飛んでいってしまった。
「わりぃ!」


「あっちゃー。」
運悪く、ボールは花壇の花を直撃する。