「あの…もしかして…シェーヴルの…、私のお母さんの知合いですか?」

 私がそういうと褐色肌の男の人がひどく驚いた。

「お前、あいつの娘なのか?!じゃあ、あいつは今どこに?」
「殺されたんです、三日前に…。その時このペンダントを…そして、『孔雀』という人を探せと…」
「キミが次の『色欲』のメモリ、継承者だっていうのはシェーヴルから聞いたよ」
「俺はそんなの聞いてねえぞ!?」
「交霊術を使ってたらシェーヴェルがいたんだ。それでああ、死んだんだっていうのがわかった。彼女が言ってたよ、そのメモリの使い方教えてやれって」

 『色欲』のメモリ?
 能力の使い方?
 何のことを言っているのだろう?

「お前、よく冷静でいられるな!そういうことだったら俺にもちゃんと言えよ、孔雀!」
「え?孔雀?あなたが…?」
「うん、そうだよ。孔雀っていうのはなまえじゃないんだけど…まあそういうことにしておいて」

 なんかイメージしていたのよりずっと若い…?
 お母さんは19歳で私を生んだっていってたから、その前からの付き合いでしょ?
 なんでこんなに若い見た目をしているの?!
 どこをどう見ても10代…私と同い年くらいじゃない!

「そういえばシェーヴル嘆いてたよな、みんな同い年なのに私だけどんどん老いて行ってつらいって」
「しょうがないよ、普通の人間と同じように年を取るのが『色欲』の定めだからね」