「あっ!カプラちゃん、どう?ゆっくりできた?」
「うん、だいぶリラックスできたよ」
「本当?さっきすごい叫び声聞こえたんだけど…?あれ?その服孔雀のかしら?」
「そうだよ、私のカバンの中の服、ボロボロになってて…だから一応借りたの」
「言ってくれれば貸したのに~!孔雀ったら真夏でもそのぶかぶかパーカーとジーンズ着てるのよ?」

 えっ?うそ…。
 暑さとかに鈍感なのかな?

「こっちの着た方が一番サイズ合うでしょ?」
「まあ、そうね~。私、ぽっちゃりだしね~」

 開き直るウルン。
 そ、それでいいの?

「でも、さすがにそれはダサいからね~。誰かの服貸して上げれればいいんだけど、此処、女の子少ないから…」

 そういえばそうだ。
 私と同い年そうな女の子は少ないかもしれない。
 女の子はいるけど4~5歳児が多い、そんな感じだ。

「昔はそれなりにおいらたちの年上の人たちいたんだけどね~」
「その人たちは今どうしているの?」
「普通の人間と家庭を作ったり、能力が消えてここを出てった人もいるわ」

 能力が…消える?
 そんなことがあるの…?

「消えることはまれにあるんだ。俺ら『七つの大罪』は消えることはないんだけどな」
「消えた原因とかって…?」
「こっちからはどうもわかんねーが…、大人になるにつれ、使う必要がなくなる能力だったのかもな」

 どんな能力なんだろう?
 自然消滅していくのはどんな気持ちなんだろう?
 うれしいのかな、それとも寂しいのかな?
 少なくともどちらかの感情は持っていると思うな。

「それにしても、普通の人と結婚ですか…。いいですね、幸せに暮らせてそうで。その人たちはここに来ることって?」
「たまに来ることはあるな。遺伝で異能力が発動しちまうことも稀にだがある。そのコントロールのためにっていう感じだな」
「それ以外でも、普通に子供見せに来たりっていう感じで来てるわ」
「でも、今は潜入作戦の事もあるし、あまり来ることはお勧めしないとは伝えてある」

 ああ、そうか…。
 普通に暮らしている人たちにも危険が来るかもしれないんだものね。