「まあ、基礎訓練は明日からにしようよ。もう遅いし、それにキミ何日もまともにご飯食べたり風呂入ったりできなかったでしょ?今日はゆっくり休んで」

 そうだった、急にこんな温かい場所に迎えられたものだからつらい気持ちが一瞬飛んでいっちゃってた…。

「シンマもおなかすいてるんでしょ?」
「なんでわかった!?」
「秘密」
「さあさあ、男がいつまでも女の子の部屋にいるもんじゃないの」
「なんでだよ!」
「ほら着替えたり、寝たり?何かとするからさ。女の子は忙しいの」

 あっ、そっか孔雀は今女の子に変化してるんだった。

「さあ、早く」
「わかったよ、飯ももうすぐできるらしいから早く来いよ?無くなるぞ」
「はいはい」

 シンマは私の部屋を出て行った。

「たぶん、オレンジは『腹が減っている』っていう合図だね」
「そうなんですか?」
「昔『彩色心理学』の本読んだことあるんだ。たぶん、今もこっちの部屋にあると思う。貸そうか?っていうかあげるよ」
「ぜひ、お願いします!」
「でも、読むのは明日ね。先に風呂入っちゃって。ここから行けるようにしておくから」

 またさっきの穴を出した孔雀。
 さっきはこの穴からここへ来たんだっけな。
 俗にいうワープ装置っていうやつなのかな?

「あっ、着替えどうするの?」
「一応このかばんの中に…あっ…」

 自分のカバンをあさってみる。
 下着の方は何とか無事のようだが、服とかはボロボロになっている…。
 銃撃とか受けていたからな…。

「…こっちの貸すから」
「何から何まですみません…」