そんなこんなで話をしていたら、誰かが私の部屋の扉をノックした。

「やば…シンマが来た」
「えっ!?こ、この鏡早く隠さなきゃ…」
「大丈夫、こうすれば消えるから」

 孔雀はそういうと指をパチンと鳴らす。
 鏡は一瞬にして姿を消した。
 便利だな、この人の能力…。

「さあ、入れても大丈夫だよ」

 もう一度、ノックする音がする。

「ど、どうぞ~」
「失礼するぞ。どうだ、カプラ?能力についてうまく聞けたか?」

 シンマは一瞬だけどチラッと孔雀を見た。

「なに?信用ないわけ?ひどいな」
「いや、信用はしているさ。いつもな」
「で…。なにか用事があってきたんじゃないの?」
「察してくれて助かる。カプラ、これはお前にも関係あることだから聞いてほしい」

 真剣な顔で私に言うシンマ。

「わかりました」
「最近『罪狩り』という異能力者が次々と殺されていくという事件がある。俺らのような『大罪』メモリ持ちや、ウルンたちのような『小さき罪人』のことだ。たぶん、お前やお前の母親…シェーヴルもそれに襲われていた。それを行っているのは誰か定かではないが俺たちは『O2J』の奴らの仕業ではないかと思っている」