「ん…?」
二階に上った瞬間。一カ所の教室からざわざわと声がしている。ようやく人に会えると想うと、案外ほっとしていた。僕は、2のAと書いてある教室に入る。入った瞬間、そこには、十数名の生徒が集まっていた。なんというか、ちょっと場違いだった気がしたと思ったが、案外素直な反応をしてきた少年がいた。
?「おや?君も生存者の一人かい?」
?「どーみたってそーだろ。死んでたら突っ立ってすらねーよ。」と、つかぬ間に会話が広がっていく。ある少年は不思議そうに、ある少年は気だるそうに会話をしている。
?「ちょっと、せっかくまた一人生存者がいたんだから、座らせてあげたらどうなの?」
?「そうですよ?せっかくお会いする事ができたのですから。遠慮せずに腰をお掛けになってください。」と少し気の強そうな少女と、やんわりと微笑む少女が、僕に気を使ってくれていた。僕は、「ありがとうございます」と一言置き、椅子に腰を掛けたのだった。
第三章完