「ピピピ…」
時限爆弾でも作動したかのような、小うるさい音が部屋中に反響する。
「ん…ふぁぁ…っと…」
まるで老人のような掛け声と共にぎこちない足取りでリビングに向かう。入って直ぐに視界にうつりこんだテーブル付近の椅子に腰掛ける。どうやら、今日の朝食は目玉焼きらしい。母は、いつも作り置きして、僕の登校より早く、出勤する。
まだ寝ぼけている体をダラダラと動かして、ガチャガチャと音を立てながら、朝食に食らいつく。朝は弱いのでかなり動きがもたついてしまうのは毎度のことである。