扉をノックする音がして、老人は玄関の扉を開けました。 そこに居たのはとても背の高い男でした。 背の低い老人は、思い切り見上げなければなりません。 「何か用ですか?」 老人が尋ねると男は一つ頷いて答えます。 「私は旅をしている者です。すみませんが水を少し分けて頂けませんか」 「それならば家の裏にある井戸を使いなさい」 老人はそう言って井戸に案内してやりました。