「君は?」 「北からやって来た者です。ここで薬を作っていると聞きました」 「どんな薬をお探しか」 「傷薬などはありますか?」 見ると少年の右腕にはサラシがきつく巻かれています。 白いサラシにはじわりと滲んだ血の染みがあります。 「怪我かね。手当てをするから中に入りなさい」 そう言って少年を家に入れました。 少年を椅子に座らせて、老人は傷に効く薬を取り出します。