冷たい風がヒュルヒュルと鳴いています。 老人は薬草をすり潰し、薬を作っていました。 ヒュルヒュルという風の音に混じり、コンコンと扉を叩く音がします。 老人は一旦手を休め、その扉を開けました。 そこにいたのは、背の低い老人と同じ高さに目線のある、小さな男でした。 男というよりまだ少年です。 丸い頬を赤く染め、まっすぐに老人を見ています。