朝になり、僕は学校へと向かう。
いつもと同じ自転車のペダルが、石膏で固められているかのように重たく感じた。

「おはようございます」

普段より数段暗いトーンで挨拶しながら、僕は職員室へと入る。
するとそんな様子はお構いなしといった勢いで、御手洗先生が僕の元へ駆け寄ってきた。

「久田先生、すぐ来てくれるかい⁉」
「えっ? はい……」

御手洗先生の後ろについて職員室の奥にある会議室に入る。
そこでは二人の教頭先生と校長先生に加え、三年二組の担任をしている高山みち子先生が一つの机を取り囲んでいた。