放課後。
今日生徒会は、会議をしているはずだ。
僕は久しぶりに、生徒会室に顔を出す。

「こんにちは。どう、順調?」

生徒会室のドアを開けると、メンバーは全員揃っており、着々と会議を進めていた。

「あ、久田先生こんにちは。まずまずといったところです」

生徒会長の副崎が答える。

懐疑の議題は九月にある学園祭についてだった。
全高の学園祭は、毎年九月に三日間行われる。
年に順番が変わるそうだが、今年は一日目が文化祭、二日目が芸術鑑賞会、三日目が体育祭の予定だ。
芸術鑑賞会とは僕も概要を把握しきれていないのだが、近くの文化会館に外部の団体を呼び、能や演劇等を披露してもらう催しらしい。
今年は演劇鑑賞会となっている。

この文化祭を期に、三年生は生徒会を引退。
副崎と石動にとっては、文化祭が生徒会としての最後の仕事だ。
これが終わると二人は各々、受験勉強に専念することになる。

「とりあえず、早めに集めないといけない備品はこんなところですかね」

そう言ったのは、二年生の会計である平沢。
二年生のメンバー二人は文化祭終了後、このまま生徒会を続けるかどうかを選択することになる。
この学校は生徒会長のみを選挙で選び、その他の役職は選挙後にある生徒議会で決定する。
基本的には継続する二年生の中に、足りない人数を補う形でメンバーが構成される。

「そうだね。じゃあ今週の土日に買い出しに行きましょう。あの久田先生、配車をしてもらうことってできますか?」

副崎が僕にお願いする。

「ああ、いいよ。土曜日は午前中に補習があるから、その後はどうかな?」
「はい、大丈夫です」  

僕の提案に四人ともが頷く。
こうして、今週の土曜に買い出しに行くことが決まった。