翌日、出勤した僕に一人の先生が挨拶をしてきた。

「おはようございます、久田先生」
「あ、友田先生。おはようございます」
 
友田昇(ともだのぼる)先生。僕が副担任を務める一年二組の担任の先生だ。
グレーのスーツ姿に眼鏡をかけている。
ふくよかな体型からか、優しそうな中年男性という印象を受ける。

「いよいよ始まりますね。まずは一年間よろしくお願いします」

そう言って友田先生は深々と頭を下げた。

「いえいえ、たくさんご迷惑をおかけするでしょうが、こちらこそよろしくお願いします」

僕は慌てて頭を下げる。友田先生は年下の僕にも礼儀正しく接してくれるので、少し戸惑う時がある。
けれど色々と丁寧に教えてくれるので、まだ会って数日だが非常に助けられている。
こうした人と一年間やっていけるというのは、本当に心強い。