「久田先生」

副崎が僕の名前を呼ぶ。
彼女はこちらに振り向き、どうしてもなってしまう上目遣いをして僕に告げた。

「私、久田先生が好き」
「うん」
「でも、まだ答えは貰えない。私これから、もっともっと頑張るから。私の気持ちに誰も文句を言えなくなるくらいに。だから見ていて下さい。そして私が卒業する時になったら、もう一度貴方に告白します。そこで答えを聞かせてもらっても良いですか?」
「うん。分かった」

僕はゆっくりと頷く。

「ありがとうございます!」

副崎が笑う。
その笑顔はこの世の如何なるものよりも美しく、輝きを誇っていた――。