「お前には長谷川奈々の霊が憑いている」
















喉がとてつもなく渇いたから飲み物を買いに行こうとした時だった


隣のクラスの真木啓吾
身長は僕より遥かに高くてサッカー部のエースだちなみにモテる




そんな君が初めて僕に発した言葉が「霊が憑いてる」?




何を言っているんだこいつは






「…君は霊能力?僕は長谷川奈々なんて知らないし憑依体質でもないよ」





その時だった









僕と真木の周りが一気に氷の世界になったように冷たい感覚が流れた




周りの人達が僕らを一斉に見たのだ






真木は僕を見ている

いや、すごくすごく睨んでいる




気分が悪い
長谷川奈々なんて知らない
霊が憑いてるなんて言われて気分がいい奴なんているか




僕はそのまま真木の横を通り過ぎ、自動販売機で水を買って教室に戻った






教室にいる奴らも全員僕を見る






なんだその目は?



何が言いたいんだ?




全員の視線を無視して僕は席についた




あぁ、酷く喉が渇いた
水が飲みたい


けど猛烈に眠くなってきた



水は起きた後に飲もう