軽く憂鬱な約束をしてしまったがもう手遅れだ

家の前にはおじさんが車に乗って例の家に送る準備をしていれば
両親はすでに我が息子の旅立ちを見送る準備もしていたのだ

もう行くしかないのか…

ハア…とため息をこぼす俺に母は
「ほら、さっさと準備しなさい!おじさんに悪いでしょ!」
「わかったよ!」

仕方なく俺は部屋に戻り身支度を整えることにした


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服に着替え朝飯を食べすっかり準備が出来た俺は物が詰まったでかいバックと小さいバックと共におじさんの車に乗り込んだ

「気をつけてね」
「呪われるなよ」

何故この両親達は冗談にもならない激励の言葉を述べることができるのだろうか…

俺を乗せた車はエンジン音と共にゆっくり動き始めた

数十秒進んだだけでもう家が見えなくなった
もう夏休み中には帰ることが出来ないことを物語る

「…さよなら…俺の楽しい夏休みライフ…」

涙が流れるのを堪えて俺は幽霊の住む家へと向かった