ココロたび

恐怖で首をたてに動かすので精一杯。



そこでようやく私が抱きしめられてることに気づいた。そして、安心したせいか今になって涙が溢れてきた。



『いらっしゃ……って、何があった!とりあえずこっちにおいで。』



男性と一緒にカフェに戻ってきた。マスターは泣いて戻ってきた私を見て、1番奥の席に座らされた。



『今日はもうお店閉めてくるから、君はこの子のそばにいてあげて。』



そういってマスターが閉店作業をしている間、彼はずっと隣にいてくれた。



それだけで、すごく安心できた。



『これを飲みなさい、少しはあったまるよ。率直に聞くけど、なにがあったんだい?』



嗚咽が止まらない私の代わりに彼が答えてくれた。