ココロたび

なにかを探すフリをしてたのに、本当に忘れ物をしてたみたい。でも、今回はありがたかった。



電車はまだあるし、ちょっと遅くなるけどいっか。



今すぐにでもこの場から離れたい。あいつに合わせる必要もないしね。



スケジュール帳を取りに行くのがついでなのか、逃げるのがついでなのか分かんないや。



とにかくお店に戻るために来た道を戻り始めた。逃げてるって思われないように。



あいつ本当にやばい人?あーもー、今になって手足が震えてきちゃった。



付いてきてないよね…?今のところ後ろから足音は聞こえてこないけど、油断できない。





『おい。』





いきなり声をかけられ、振り向くとさっきの不審者が目の前にいた。