ココロたび

今度は駅?観光客が来るような所じゃないんだけどな、ここ。普通の住宅街なのに。



『大通りまで出たら左です。そこからまたまっすぐ歩いてください。』



まじか、私も駅に行くんだけど……。



本当に私に合わせてるのか気になって、なにかを探すフリして立ち止まってみた。



すると、すでにゆっくりだった彼の歩きがさらに遅くなった。



あ、完全に狙われてる。どうしようかなー……。



なんとか冷静を保ってはいるけれど、やっぱ怖いし変な汗が出てきた。



でも、それを悟られたら逃げれなくなる気がして、なんとか平静を装っていた。



「あれ、スケジュール帳が本当にない。お店に忘れて来たかも。」