ココロたび

切りの良いところまで読み終えた私は、その後お会計を済ませてすぐお店を後にした。



男性が気になって、チラ見してしまったけど、すごく爽やかな印象だった。



テニスかな、なにかスポーツしてそう。



そういえば、こんな遅い時間にここを通るのは初めてだけど、人通りも街灯も少ないな。



夏といえど、もうとっくに陽は沈み空には月が浮かんでいる。



急いで帰ろう。なんか、嫌な予感がして来た。



『あの、すみません。』



急ぎ足で駅に向かっていると、急に男性から声をかけられた。



十分に警戒しながら、彼の話を聞くことにした。



「はい、なんでしょう。」



『今何時か分かりますか?』