ピンクのランドセル背負っている背中が汗ばんでいるよ真夏の日差しがわたしをジリジリジリっと溶けていくゼリーみたいにしていってでもあたしは汗になるぐらいで溶けないまま下校路を歩いていて、黒や赤や深緑や水色のランドセルを背負った小学生に混じって、彼ら彼女らは楽しげに大きな笑い声を立てながら歩いていて、その声も蝉のミンミンもわたしには変わらないものに聞こえて、でもわたしは黄色い帽子を目深に被って歩いているよ、「休みの子のぶんのジャンケンに買って、おれ今日給食のゼリーニ個食べたんだぜ!」も「ミンミンミンミン」も同じぐらい耳にぶつかって抜けていく。自転車のカゴにスーパーの買い物袋を乗せた町のお母さんが向かいから漕いで来るよ、後ろで一つに束ねた髪が太陽の光を浴びてギラギラチープに明るくてこの町っぽいなあとチラリと見はしたけどわたしは下を向くの、その時頭から伝った汗が一粒地面に落ちて染みたよ、通り過ぎていくまで地面の端のコケを見ながら歩くのコケを指でほじくったらホロホロ取れるのかな。「亜美!」わたしを呼ぶ声が聞こえて顔を上げるよ車道、車、白い車に乗ったけんちゃんが窓を開けてわたしを呼んでいる、「けんちゃん、今日、暑かった」、立ち止まったわたしの横を後ろの小学生の一組が追い抜かしていく、黄色い帽子の頭のところが見えて一瞬ああそうね小さいよねって思ったわたしを手招きしておいでする、「あー、えー、亜美ちゃん、おじさんが何でも好きなお菓子を買ってあげるからおじさんの車に乗りなよ」「おじさんの車涼しい?亜美、汗だくだぐなの」「涼しいよ、なんならもっと温度下げてあげるよ」「十八度?」「十八度にしようか?いいよ」そんなやり取りをしている間、子ども達の声とかミンミンミンは耳から消えていたけれど、向かいからまた自転車に乗った誰かのお母さんがくるのが見えてわたしはけんちゃんの車の扉を開けて後ろの座席に乗り込んだ、けんちゃんが窓を閉めながら「ほんとに十八度にするの?」と笑う横顔、窓を閉めてしまうとスモークがかかったけんちゃんの車の中は外から見えない、ランドセルを端に置くとだらっと後方座席に寝転がりながら、「そうよランドセルの背中って暑いんだからねもう三度ぐらいにしてよ」けんちゃんはははっ大変だねと笑ったけれどエアコンの機械をいじらないまま車を出発させたわたしはどこに行くのだろうと思いたい迷子行方不明少女の気持ちで目を瞑って寝転がっている、短いスカートの裾がエアコンの風に吹かれてふわふわしているのを感じた、わたしは小学生の女の子。
「ねえ、おじさんどこいくの?」
「おれのお家だよ」
「好きなお菓子を買ってくれるんじゃなかったの?」
「いいけど。何か食べたいやつあるの?」
「あいすくりーむあいすくりーむあいすくりーむ」
「アイス食べたいの?そこのスーパーで買ってきてあげようか?」
「おじさん一人で行くの?」
「え、だってねえ、スーパー、人多いよ」
「うるせえ亜美も一緒に行くんだよ死ね」
またランドセルを背負って帽子を目深に被って下を向いてけんちゃんの腕をつかんでスーパーに入るんだよ、「おれお父さんに見えるかなあ」ってけんちゃんが呟いたよ、「お父さん亜美アイスが食べたい」お父さんのデニムとスニーカーに、短いスカートから出たわたしの足と白い靴下とマジックテープ止めの靴がひたひたとくっついて歩く、お惣菜コーナーから揚げ物と肉の匂いが漂って胃液を軽くかきまぜられた感じがしたけどうげっと軽いノリで湧き上がってきそうな胃液を素知らぬ顔をして飲み込む、ひたひたひた、アイスコーナーに到着した「どれがいい」とお父さんに扮したおじさんに扮したけんちゃんが尋ねる別にどれでもよかったけどなんとなく、上のところが透明のカップになっているバニラのソフトクリームを指差して「これ」って言った、「分かった」ってそれを一つ取ってレジに歩いていくひたひたひた横にくっついていく離れたら分裂したら不安だ。お父さんに扮したおじさんに扮したけんちゃんと、小学生に扮したわたしがバラバラになってしまったら迷子だものわたしがどこかに行っちゃうからここにいたとしてもそういう話じゃなくて、ここにいるんですよということ以外わたしはわたしを迷子にしてしまうからだから腕をつかんでひたひたひたしていると迷子にならないでしょきっと。けんちゃんがお金を払ってスーパーの駐車場に戻るよ、「食べるの?」車に戻ったけんちゃんが眉をしかめさせてスーパーの袋からアイスを取り出して後方座席のわたしに見せたの、わたしは首を振る、「食べれない」わたしは拒食症でごはんが食べれない、「わたしは食べれないけど小学生の亜美ちゃんは食べる、だからけんちゃんが代わりに食べる」座ってスカートの裾をいじいじしながら言う、空気が揺れてけんちゃんが意地悪そうに笑った気がした、ソフトクリームの上のカップがかぽっと外す音が聞こえる車内は静かだ窓にはスモークがかかっている、「亜美」けんちゃんがわたしを呼んで顔を上げさせるそこにけんちゃんはソフトクリームをべちゃっと押し付けた思わず目を瞑って冷たくてひやっとした、それから鼻と口のところにべたべたっとした大きな感触、けんちゃんはソフトクリームを離すと、「ごめんね亜美ちゃんのお顔に間違って付けちゃったから舐めて取ってあげるね」って一旦運転席から出て駐車場車、五秒ぐらいだったけど今わたしは車の中に一人で逃げられるかななんて誘拐された小学生みたいなことを思って、後部座席のドアが開いてけんちゃんの顔を見ると同時に違うわわたしは誘拐された女子小学生なんだって思いなおして顔の熱でどろっと流れかけた汁をけんちゃんの舌が舐める犬みたい猫みたいわたしの隣に座って舐められる舌先は感情を持っていて温かくて付けられたソフトクリームを綺麗にされているのか唾液でもっと汚されているのかどっちだと思いながらわたしはそれを素直に受け入れていた、けんちゃんの舌がわたしの唇を舐める唇を舌がつつく、ひらけごまをしたいみたいにツンツンとつつかれて観念して小さく唇の上と下の間を開ける遠慮なくそこに割り込まれてぐいっと入ってくる舌がねじこまれてクスコみたいに唇を開かされるわたしの口の中をけんちゃんの唇がいっぱいにして侵略する殺してくれそうしていても蝉の声も小学生の声も外のなんの音も聞こえなくて、小学生になりたいわたしがはあと息をするのが聞こえただけ。けんちゃんがキスをしながらわたしの足の間に手を入れる欲張りなのは舌だけじゃなくて手も動く欲望でパンツの上をごしごしとこすってやがてキスをやめたけんちゃんが捲りあがったスカートからパンツを見て、「やっぱりこれだよなあ」って頬をゆるませた白い綿のゴムのパンツ、けんちゃんは座ったまま上体を折り曲げてわたしの股の間に顔を埋めてくんくんってパンツの上から匂いを嗅いだの顔は見えないけれど嬉しそうな顔をしているのが分かったの、気持ち悪いこの人気持ち悪いわたしは小学生じゃなくて二十三歳無職ちゃんなのにと思いながらでもわたしは小学生でわたしより小学生でいる方がずっと良くて、「おじちゃん、そんなところ匂ったら恥ずかしいよう、そこトイレするところだよう」と言うの、それがカンカンカンとわざとみたいに響いてけんちゃんがわたしのパンツの中に指を入れるの膣に指がずぼって入って広げるのみしみし奥まで突き刺さるの、「あーっ」って声を上げるのわたしか亜美ちゃんが。すぽんすぽんずぼんずぼんそのうち一本の指が二本になって膣の中を犯すの犯されているの亜美ちゃんがわたしは亜美ちゃんなの、後部座席に寝転がらせられてけんちゃんは座ったままわたしを見下ろして指を出し入れするの動くたびにけんちゃんの前髪がふわふわって揺れるのその下の死んだ魚の目がわたしを見ているの、そんな目をしたおじさんに犯されている亜美ちゃんはどきどきするのお母さんに知れたらいけないことなの秘密なの秘密の世界なのそこに没頭していたらいいの、意識がもこもこになるぐらい気持ちよくなっていって視界が白くぼやけてくる感じ、そしたらスモークも車もなんにもなくなってただ夏の日差しの野外の中で小学生のわたしが下半身を剥き出しにしておじさんに犯されている気がしてミンミンミンも小学生の声も聞こえてきた気がしてそれってすごく恥ずかしくてここに夢中になれるよって思って目を固くつぶって、「あっあーいっちゃういっちゃうよおお」って叫ぶの、だめだ、いってしまったら、戻ってしまう、思いながら、わたしは行き先が分からないひと。
「ねえ、おじさんどこいくの?」
「おれのお家だよ」
「好きなお菓子を買ってくれるんじゃなかったの?」
「いいけど。何か食べたいやつあるの?」
「あいすくりーむあいすくりーむあいすくりーむ」
「アイス食べたいの?そこのスーパーで買ってきてあげようか?」
「おじさん一人で行くの?」
「え、だってねえ、スーパー、人多いよ」
「うるせえ亜美も一緒に行くんだよ死ね」
またランドセルを背負って帽子を目深に被って下を向いてけんちゃんの腕をつかんでスーパーに入るんだよ、「おれお父さんに見えるかなあ」ってけんちゃんが呟いたよ、「お父さん亜美アイスが食べたい」お父さんのデニムとスニーカーに、短いスカートから出たわたしの足と白い靴下とマジックテープ止めの靴がひたひたとくっついて歩く、お惣菜コーナーから揚げ物と肉の匂いが漂って胃液を軽くかきまぜられた感じがしたけどうげっと軽いノリで湧き上がってきそうな胃液を素知らぬ顔をして飲み込む、ひたひたひた、アイスコーナーに到着した「どれがいい」とお父さんに扮したおじさんに扮したけんちゃんが尋ねる別にどれでもよかったけどなんとなく、上のところが透明のカップになっているバニラのソフトクリームを指差して「これ」って言った、「分かった」ってそれを一つ取ってレジに歩いていくひたひたひた横にくっついていく離れたら分裂したら不安だ。お父さんに扮したおじさんに扮したけんちゃんと、小学生に扮したわたしがバラバラになってしまったら迷子だものわたしがどこかに行っちゃうからここにいたとしてもそういう話じゃなくて、ここにいるんですよということ以外わたしはわたしを迷子にしてしまうからだから腕をつかんでひたひたひたしていると迷子にならないでしょきっと。けんちゃんがお金を払ってスーパーの駐車場に戻るよ、「食べるの?」車に戻ったけんちゃんが眉をしかめさせてスーパーの袋からアイスを取り出して後方座席のわたしに見せたの、わたしは首を振る、「食べれない」わたしは拒食症でごはんが食べれない、「わたしは食べれないけど小学生の亜美ちゃんは食べる、だからけんちゃんが代わりに食べる」座ってスカートの裾をいじいじしながら言う、空気が揺れてけんちゃんが意地悪そうに笑った気がした、ソフトクリームの上のカップがかぽっと外す音が聞こえる車内は静かだ窓にはスモークがかかっている、「亜美」けんちゃんがわたしを呼んで顔を上げさせるそこにけんちゃんはソフトクリームをべちゃっと押し付けた思わず目を瞑って冷たくてひやっとした、それから鼻と口のところにべたべたっとした大きな感触、けんちゃんはソフトクリームを離すと、「ごめんね亜美ちゃんのお顔に間違って付けちゃったから舐めて取ってあげるね」って一旦運転席から出て駐車場車、五秒ぐらいだったけど今わたしは車の中に一人で逃げられるかななんて誘拐された小学生みたいなことを思って、後部座席のドアが開いてけんちゃんの顔を見ると同時に違うわわたしは誘拐された女子小学生なんだって思いなおして顔の熱でどろっと流れかけた汁をけんちゃんの舌が舐める犬みたい猫みたいわたしの隣に座って舐められる舌先は感情を持っていて温かくて付けられたソフトクリームを綺麗にされているのか唾液でもっと汚されているのかどっちだと思いながらわたしはそれを素直に受け入れていた、けんちゃんの舌がわたしの唇を舐める唇を舌がつつく、ひらけごまをしたいみたいにツンツンとつつかれて観念して小さく唇の上と下の間を開ける遠慮なくそこに割り込まれてぐいっと入ってくる舌がねじこまれてクスコみたいに唇を開かされるわたしの口の中をけんちゃんの唇がいっぱいにして侵略する殺してくれそうしていても蝉の声も小学生の声も外のなんの音も聞こえなくて、小学生になりたいわたしがはあと息をするのが聞こえただけ。けんちゃんがキスをしながらわたしの足の間に手を入れる欲張りなのは舌だけじゃなくて手も動く欲望でパンツの上をごしごしとこすってやがてキスをやめたけんちゃんが捲りあがったスカートからパンツを見て、「やっぱりこれだよなあ」って頬をゆるませた白い綿のゴムのパンツ、けんちゃんは座ったまま上体を折り曲げてわたしの股の間に顔を埋めてくんくんってパンツの上から匂いを嗅いだの顔は見えないけれど嬉しそうな顔をしているのが分かったの、気持ち悪いこの人気持ち悪いわたしは小学生じゃなくて二十三歳無職ちゃんなのにと思いながらでもわたしは小学生でわたしより小学生でいる方がずっと良くて、「おじちゃん、そんなところ匂ったら恥ずかしいよう、そこトイレするところだよう」と言うの、それがカンカンカンとわざとみたいに響いてけんちゃんがわたしのパンツの中に指を入れるの膣に指がずぼって入って広げるのみしみし奥まで突き刺さるの、「あーっ」って声を上げるのわたしか亜美ちゃんが。すぽんすぽんずぼんずぼんそのうち一本の指が二本になって膣の中を犯すの犯されているの亜美ちゃんがわたしは亜美ちゃんなの、後部座席に寝転がらせられてけんちゃんは座ったままわたしを見下ろして指を出し入れするの動くたびにけんちゃんの前髪がふわふわって揺れるのその下の死んだ魚の目がわたしを見ているの、そんな目をしたおじさんに犯されている亜美ちゃんはどきどきするのお母さんに知れたらいけないことなの秘密なの秘密の世界なのそこに没頭していたらいいの、意識がもこもこになるぐらい気持ちよくなっていって視界が白くぼやけてくる感じ、そしたらスモークも車もなんにもなくなってただ夏の日差しの野外の中で小学生のわたしが下半身を剥き出しにしておじさんに犯されている気がしてミンミンミンも小学生の声も聞こえてきた気がしてそれってすごく恥ずかしくてここに夢中になれるよって思って目を固くつぶって、「あっあーいっちゃういっちゃうよおお」って叫ぶの、だめだ、いってしまったら、戻ってしまう、思いながら、わたしは行き先が分からないひと。
