「まもなく神戸三宮ー、神戸三宮ですー」
ストッキング星人に脳内回路を独占されていたせいで、いつの間にか途中の岡本を通り過ぎていたらしい、膝の上にだらんと下ろした手首を縛った腕時計には決して目をやらず、ふんふんと顔を上げる。ぴっちりしたパンツの股間、注意深く見ないと気付かない程度にそれを内側から持ち上げられている光景がちょうど目前にあってその持ち主が気になり、わたしは別にあなたの顔なんて気にしていませんよなんとなく車内の上の方を仰ぎ見るだけですというスタンスで顎を上げると、がっちり系のなんともゲイっぽい顔つきの男がそこにいて、なんだお前なにを思い出して半勃起してんだと、会社から逃げていることも忘れて可笑しくなり、さっと顔を下げる。でも、下を見ようと、わたしのすぐ目前に半勃起してピッチピチのパンツから自己主張してしまうチンコがいるのに、笑ってはいけない緊張感。はんぼっき!半分!もしかしてフルボッキだったら申し訳ないけど中途半端な縦向きの張りだから半勃起だろう、ああ、唐突に半勃起。今朝か昨日ヤッたプレイを思い出しているのか、笑ってはいけないゲームのようだ。それとも車内に好みの男がいてその男を犯している妄想をしたら半勃起してしまったのか、それならもっと面白いなあと車両を見渡してみると、灯台モトクラシー、わたしのちょうど隣に線の細いキノコ頭のイケメンが座っていた、ゲイにも受けそうな美しげな顔立ちだ。彼を見て犯している妄想がむくむく膨らんで半勃起っていうならなんか分かるわ、と満足して、再び俯いて目をつむる。
「まもなく花隈ー、花隈ですー」
神戸三宮から花隈間は非常に短い。歩いて十分着くんちゃうんか、わざわざ駅作る必要あったんか、とか、私たちは自分がユーザーではない距離が極めて短い駅に関しては冷たい姿勢を取りがちだ。でも、花隈ということは、次が高速神戸でその後は新開地、つまり終点に着いて降りなければいけないということだ。終点まで着いてしまえばもう電車に乗り続けていることはできない、ただただホームに立ち尽くして日が暮れるのを待つ、という手がないでもないが、終点に着いたら人というのはどこかに向かって歩き出さねばならないものだろう。それはやばいな。わたしは目をつむって、前に立つガチムチ系の半勃起ゲイがさっき妄想して半勃起したように、隣に座る細身のイケメンのことを思い浮かべる。彼は目をつむっているわたしのことをきっと眠っていると思っている。むしろ、車内でうたた寝する無防備な女と思われなければならないから、わざと頭を右にかくかくっとさせて、結構ガチで眠っているアピールをする、でも寄りかかってきてうっとうしい人にならない女ギリギリラインを攻めるために完全に寄りかかることはしない、すんでのところで意識を取り戻し、振り子のようにふいっと正面に顔を戻す人の振りをする、そうすることで隣の細身のイケメンはわたしがギリギリな深い眠りに落ちていると信じ込み、無防備なわたしにそっと痴漢をしようとする。でも彼はそう悪くない。もしかしたら、わたしがもたれかかったときにカットソーの胸元から谷間が覗いてむらむらしたかもしれないし、もしかしたら中高生男子みたいにシャンプーの匂いにそそったかもしれないし、もしくは彼は破れたストッキングを見るとむらむらして自分を抑えることができなくなるという性癖を持っているのかもしれないから、彼はそう悪くない。彼は膝に載せていた大きな黒い革のトートバッグをわたしの方に左側に寄せ、それで隠すようにしてわたしの膝の辺りを触るのだ。ぼく、なんにもしてませんよ、みたいな顔をして、唇を尖らせて向かいの窓の外に目をやりながら、人差し指の一本だけで破れたストッキングから出た素肌をしつこくなぞるのだ、でもだんだんその人差し指に執拗な力が加わってきて、隣に座っているわたしにだけは小さな吐息の興奮の音が聞こえる。もう鞄で隠すにも無理があるかもしれない、でも彼は右手までもそこに添えて、右手と左手の指で破れたストッキングの両端を持ち、それを上に持ち上げるようにして、更に破れを大きく開いていった。
「おい、そこのお前、何してんだ!こいつ、痴漢ですよ!」
でも、それを当然のごとく見つけてしまった正面のガチムチ男がそう大声を上げ、車内の人々は一斉にこちらに目を向け、痴漢か、とざわつく。ストッキングを破りきった細身の男が目を右往左往させ逃げ出すように立ち上がりかけたのを、正面のガチムチ男が筋肉の盛り上がった腕で取り押さえた、細身の男の白くて細長い腕をぎちぎちに掴む。
「お姉さん、次の駅で一緒に降りて駅員さんのところに突き出しましょう」
膝の肉を少し触って、破れていたストッキングを更に大きく破いたぐらいで痴漢の人として逮捕されてしまうなんて可哀想、彼はそれほど悪くはないんだがなと思わないでもなかったが、まあガチムチ男に見つかるようにチャチな痴漢をしてしまったのが運の尽きということだろう、ガチムチ男のように妄想で半勃起に留めておけば痴漢認定されることなどなかったのだ。ガチムチ男と細身のイケメンが半勃起、わたしは膣をじわじわ濡らすという妄想のトライアングルで済ませておけば大事に至らなかったものの仕方ないだろう、わたしは痴漢を誘った誘発罪があるとしても、ほんとは彼氏とのプレイでー、などと庇ってあげるほどの縁もゆかりもないので仕方ないと、ガチムチの言葉にコクリと頷く。
「まもなく高速神戸ー、高速神戸ですー」
細身の男の腕を強く掴んで歩かせるガチムチ男の後ろに続いて、わたしも高速神戸で降車する、痴漢男を駅員さんに突き出すために。同じ車内に乗り合わせていた人は、じろじろと物言う目でこちらを眺めていたが、電車から降りてホームからエスカレーターを下っていく頃になると事情を知らぬ人ばかり、ガチムチのホモに捕まえられた細身のイケメンの後ろに、おずおず引っ付いていくスーツ姿の気弱そうな女というよく分からない構図になった。
「あ、駅員さんの部屋はこちらのようです......」
気が少々引けながらも駅員室をガチムチ男に向かって指差して見せると、振り向いた男は細身のイケメンを拘束していた手をぱっと放し、その代わりにわたしの肩を掴んで、駅員室のすぐ隣にあった障害者用トイレに押し入れた。は?一拍遅れて入ってきた細身のイケメンがその戸の鍵をかちゃりと施錠し、わたしをすり抜けて、わたしの肩を強く掴んだままのガチムチ男に懇願する目を向ける。
「早く、健太、早くして」
「俺は本当は嫌なんだがなあ」
焦れた声を出すイケメンに、健太とかいうガチムチ男は呟くように溜め息を吐き出すと、わたしを押して尻餅をつかせるように床に座らせた、イケメンが焦った子どものようにズボンのベルトをかちゃかちゃと外そうとする中、ガチムチ男は片方の手でわたしの両手首を後ろで掴んで拘束し、もう片方の手で肩を押さえつけた。
「いいか、噛んだら殴るからな」
べろんとチンコを出したイケメンはわたしの頬のところをチンコの先でなぞりながら脅した。目を見開いて彼を見上げていると、お返事は、と服の上から胸を掴んで揉まれた。ぞく、と電流のような興奮が走ったのを隠すようにわたしは大きく首を何度か縦に振った。既に大きくなったチンコをずぶっと一回で口の深くに入れられてしまう、ガチムチに手と肩を拘束されて、わたしはイケメンの腰の前後運動によって何度も何度もそのチンコを口から抜いては差してを繰り返されて自らの唾液で口の周りをどろどろにされて、時々それが喉奥まで入りすぎるので、うっとえづきそうになった。わたしがえづく声を漏らすと、イケメンはしばらく口の浅いところでちょんちょんとチンコを動かしてから、それからまた喉奥に向かってぐっと差し入れてまたえづかせた。うううっ、と声を出して首を振ると、イケメンはそれを全て抜いて、はー、と大きく息をついた。
「おい、立て」
わたしを後ろから拘束していたガチムチ男は命令すると同時に、わたしの両脇に手を入れてぐいと立たせ、トイレの壁に手をつくように後ろ向きにさせると、イケメンが取って代わってわたしの両手首を拘束した、さっきのガチムチ男よりは拘束の力が緩かったけれど、なんとか抵抗して逃げてやろうとするつもりも起こらなかった。イケメンはわたしのスーツのスカートを捲り上げてパンツをずらすと、晒された尻をぱんと叩いた、驚いてふっと力が緩んだところに、膣の奥までチンコが入ってくる。あ、きもちいい、犯されているのにその挿入初めで視界が白くなってぼやっとする、そこに男は腰を振ってわたしの尻を揺らし、マンコに固く尖ったチンコを押し付ける、それを何度も繰り返されて白くなっていく頭が思考を奪う、きもちいい、きもちいい、頭の中がそれだけ、真っ白になった中で快の一文字だけで満たされて、駅員室の向かいのトイレで犯されているわたし、というのを俯瞰して、ますます突かれているマンコが濡れる。ぼんやりとなった頭の中だったが、振り返るとガチムチ男は閉じた洋式便器に腰掛けて、組んだ足を貧乏揺すりさせて親指の爪を噛み、どこか苛立ったような視線をこちらに投げていたのが視覚できて、それはどういう意味なのだとわたしは不思議さを感じながら太腿を広げられてさっきより早くなったリズムでマンコを突かれまくっていた。
「あっ、いくっ、いきそっ、健太!」
でも、わたしのマンコにしきりに出し入れを楽しんでいたチンコもとい細身のイケメンがそう叫びながらイッたことでわたしは理解した気がした。わたしは顔だけを振り向かせると、ガチムチがやり場の無い気持ちを表現するように唇の端をぴくぴくと上下させ、困ったように笑いを浮かべてイケメンを見ている光景があった。ガチムチとイケメンは強い粘い視線で繋がっていて、その間に挟まれたわたしはイケメンのオナホ役をするために連れて来られたただのオナホだった。きっと、この細身のイケメンとガチムチは本当はゲイカップルなのだが、でもガチムチがゲイ一本であるのに対してイケメンはバイであり、時々はガチムチだけではなく女の子ともセックスをしたくなるのではないか。でも、ガチムチは自分の知らないところで例えチンコの出し入れだけとは言え浮気されることが耐え難いので、こうして痴漢を捕まえるふりをしては女をトイレに押し込み、イケメンに女をレイプさせているのではないか。奔放に性を求めるイケメンに対し、自分は犯罪の片棒を担いでまで求める脳内麻薬を与える手伝いをしてやるなんてなんと健気で可哀想なガチムチであろうか。あー、せやなせやな好きになったら負けなんやな。
「まもなく新開地ー、新開地ですー」
もはや妄想の中でガチムチに同情し始めたとき、なんと車掌はこの電車が終点に到着してしまうことを知らせた。わたしははっと目を開ける、まもなくホームに滑り込んでいった電車はゆっくり停車したあと、ぷしゅう、と扉を開けた。向かいのゲイは既に我先にと降車し、隣に座っていたイケメンもおもむろに立ち上がると、しゃなりしゃなりと優雅な歩き方をして降りて行った。その背中を消えるまで見届け、車両に残った最後の人になってしまったわたしもゆっくりと腰を上げた。ずいぶん長く乗車していたドアから出る、左手首の時計を見ると集合時間の九時を十五分過ぎていた。あー、これは遅刻ですなあ。反対側のホームへと足を動かしながら、膝から足首にしっかりと伝染したストッキングを睨み付ける。
ストッキング星人に脳内回路を独占されていたせいで、いつの間にか途中の岡本を通り過ぎていたらしい、膝の上にだらんと下ろした手首を縛った腕時計には決して目をやらず、ふんふんと顔を上げる。ぴっちりしたパンツの股間、注意深く見ないと気付かない程度にそれを内側から持ち上げられている光景がちょうど目前にあってその持ち主が気になり、わたしは別にあなたの顔なんて気にしていませんよなんとなく車内の上の方を仰ぎ見るだけですというスタンスで顎を上げると、がっちり系のなんともゲイっぽい顔つきの男がそこにいて、なんだお前なにを思い出して半勃起してんだと、会社から逃げていることも忘れて可笑しくなり、さっと顔を下げる。でも、下を見ようと、わたしのすぐ目前に半勃起してピッチピチのパンツから自己主張してしまうチンコがいるのに、笑ってはいけない緊張感。はんぼっき!半分!もしかしてフルボッキだったら申し訳ないけど中途半端な縦向きの張りだから半勃起だろう、ああ、唐突に半勃起。今朝か昨日ヤッたプレイを思い出しているのか、笑ってはいけないゲームのようだ。それとも車内に好みの男がいてその男を犯している妄想をしたら半勃起してしまったのか、それならもっと面白いなあと車両を見渡してみると、灯台モトクラシー、わたしのちょうど隣に線の細いキノコ頭のイケメンが座っていた、ゲイにも受けそうな美しげな顔立ちだ。彼を見て犯している妄想がむくむく膨らんで半勃起っていうならなんか分かるわ、と満足して、再び俯いて目をつむる。
「まもなく花隈ー、花隈ですー」
神戸三宮から花隈間は非常に短い。歩いて十分着くんちゃうんか、わざわざ駅作る必要あったんか、とか、私たちは自分がユーザーではない距離が極めて短い駅に関しては冷たい姿勢を取りがちだ。でも、花隈ということは、次が高速神戸でその後は新開地、つまり終点に着いて降りなければいけないということだ。終点まで着いてしまえばもう電車に乗り続けていることはできない、ただただホームに立ち尽くして日が暮れるのを待つ、という手がないでもないが、終点に着いたら人というのはどこかに向かって歩き出さねばならないものだろう。それはやばいな。わたしは目をつむって、前に立つガチムチ系の半勃起ゲイがさっき妄想して半勃起したように、隣に座る細身のイケメンのことを思い浮かべる。彼は目をつむっているわたしのことをきっと眠っていると思っている。むしろ、車内でうたた寝する無防備な女と思われなければならないから、わざと頭を右にかくかくっとさせて、結構ガチで眠っているアピールをする、でも寄りかかってきてうっとうしい人にならない女ギリギリラインを攻めるために完全に寄りかかることはしない、すんでのところで意識を取り戻し、振り子のようにふいっと正面に顔を戻す人の振りをする、そうすることで隣の細身のイケメンはわたしがギリギリな深い眠りに落ちていると信じ込み、無防備なわたしにそっと痴漢をしようとする。でも彼はそう悪くない。もしかしたら、わたしがもたれかかったときにカットソーの胸元から谷間が覗いてむらむらしたかもしれないし、もしかしたら中高生男子みたいにシャンプーの匂いにそそったかもしれないし、もしくは彼は破れたストッキングを見るとむらむらして自分を抑えることができなくなるという性癖を持っているのかもしれないから、彼はそう悪くない。彼は膝に載せていた大きな黒い革のトートバッグをわたしの方に左側に寄せ、それで隠すようにしてわたしの膝の辺りを触るのだ。ぼく、なんにもしてませんよ、みたいな顔をして、唇を尖らせて向かいの窓の外に目をやりながら、人差し指の一本だけで破れたストッキングから出た素肌をしつこくなぞるのだ、でもだんだんその人差し指に執拗な力が加わってきて、隣に座っているわたしにだけは小さな吐息の興奮の音が聞こえる。もう鞄で隠すにも無理があるかもしれない、でも彼は右手までもそこに添えて、右手と左手の指で破れたストッキングの両端を持ち、それを上に持ち上げるようにして、更に破れを大きく開いていった。
「おい、そこのお前、何してんだ!こいつ、痴漢ですよ!」
でも、それを当然のごとく見つけてしまった正面のガチムチ男がそう大声を上げ、車内の人々は一斉にこちらに目を向け、痴漢か、とざわつく。ストッキングを破りきった細身の男が目を右往左往させ逃げ出すように立ち上がりかけたのを、正面のガチムチ男が筋肉の盛り上がった腕で取り押さえた、細身の男の白くて細長い腕をぎちぎちに掴む。
「お姉さん、次の駅で一緒に降りて駅員さんのところに突き出しましょう」
膝の肉を少し触って、破れていたストッキングを更に大きく破いたぐらいで痴漢の人として逮捕されてしまうなんて可哀想、彼はそれほど悪くはないんだがなと思わないでもなかったが、まあガチムチ男に見つかるようにチャチな痴漢をしてしまったのが運の尽きということだろう、ガチムチ男のように妄想で半勃起に留めておけば痴漢認定されることなどなかったのだ。ガチムチ男と細身のイケメンが半勃起、わたしは膣をじわじわ濡らすという妄想のトライアングルで済ませておけば大事に至らなかったものの仕方ないだろう、わたしは痴漢を誘った誘発罪があるとしても、ほんとは彼氏とのプレイでー、などと庇ってあげるほどの縁もゆかりもないので仕方ないと、ガチムチの言葉にコクリと頷く。
「まもなく高速神戸ー、高速神戸ですー」
細身の男の腕を強く掴んで歩かせるガチムチ男の後ろに続いて、わたしも高速神戸で降車する、痴漢男を駅員さんに突き出すために。同じ車内に乗り合わせていた人は、じろじろと物言う目でこちらを眺めていたが、電車から降りてホームからエスカレーターを下っていく頃になると事情を知らぬ人ばかり、ガチムチのホモに捕まえられた細身のイケメンの後ろに、おずおず引っ付いていくスーツ姿の気弱そうな女というよく分からない構図になった。
「あ、駅員さんの部屋はこちらのようです......」
気が少々引けながらも駅員室をガチムチ男に向かって指差して見せると、振り向いた男は細身のイケメンを拘束していた手をぱっと放し、その代わりにわたしの肩を掴んで、駅員室のすぐ隣にあった障害者用トイレに押し入れた。は?一拍遅れて入ってきた細身のイケメンがその戸の鍵をかちゃりと施錠し、わたしをすり抜けて、わたしの肩を強く掴んだままのガチムチ男に懇願する目を向ける。
「早く、健太、早くして」
「俺は本当は嫌なんだがなあ」
焦れた声を出すイケメンに、健太とかいうガチムチ男は呟くように溜め息を吐き出すと、わたしを押して尻餅をつかせるように床に座らせた、イケメンが焦った子どものようにズボンのベルトをかちゃかちゃと外そうとする中、ガチムチ男は片方の手でわたしの両手首を後ろで掴んで拘束し、もう片方の手で肩を押さえつけた。
「いいか、噛んだら殴るからな」
べろんとチンコを出したイケメンはわたしの頬のところをチンコの先でなぞりながら脅した。目を見開いて彼を見上げていると、お返事は、と服の上から胸を掴んで揉まれた。ぞく、と電流のような興奮が走ったのを隠すようにわたしは大きく首を何度か縦に振った。既に大きくなったチンコをずぶっと一回で口の深くに入れられてしまう、ガチムチに手と肩を拘束されて、わたしはイケメンの腰の前後運動によって何度も何度もそのチンコを口から抜いては差してを繰り返されて自らの唾液で口の周りをどろどろにされて、時々それが喉奥まで入りすぎるので、うっとえづきそうになった。わたしがえづく声を漏らすと、イケメンはしばらく口の浅いところでちょんちょんとチンコを動かしてから、それからまた喉奥に向かってぐっと差し入れてまたえづかせた。うううっ、と声を出して首を振ると、イケメンはそれを全て抜いて、はー、と大きく息をついた。
「おい、立て」
わたしを後ろから拘束していたガチムチ男は命令すると同時に、わたしの両脇に手を入れてぐいと立たせ、トイレの壁に手をつくように後ろ向きにさせると、イケメンが取って代わってわたしの両手首を拘束した、さっきのガチムチ男よりは拘束の力が緩かったけれど、なんとか抵抗して逃げてやろうとするつもりも起こらなかった。イケメンはわたしのスーツのスカートを捲り上げてパンツをずらすと、晒された尻をぱんと叩いた、驚いてふっと力が緩んだところに、膣の奥までチンコが入ってくる。あ、きもちいい、犯されているのにその挿入初めで視界が白くなってぼやっとする、そこに男は腰を振ってわたしの尻を揺らし、マンコに固く尖ったチンコを押し付ける、それを何度も繰り返されて白くなっていく頭が思考を奪う、きもちいい、きもちいい、頭の中がそれだけ、真っ白になった中で快の一文字だけで満たされて、駅員室の向かいのトイレで犯されているわたし、というのを俯瞰して、ますます突かれているマンコが濡れる。ぼんやりとなった頭の中だったが、振り返るとガチムチ男は閉じた洋式便器に腰掛けて、組んだ足を貧乏揺すりさせて親指の爪を噛み、どこか苛立ったような視線をこちらに投げていたのが視覚できて、それはどういう意味なのだとわたしは不思議さを感じながら太腿を広げられてさっきより早くなったリズムでマンコを突かれまくっていた。
「あっ、いくっ、いきそっ、健太!」
でも、わたしのマンコにしきりに出し入れを楽しんでいたチンコもとい細身のイケメンがそう叫びながらイッたことでわたしは理解した気がした。わたしは顔だけを振り向かせると、ガチムチがやり場の無い気持ちを表現するように唇の端をぴくぴくと上下させ、困ったように笑いを浮かべてイケメンを見ている光景があった。ガチムチとイケメンは強い粘い視線で繋がっていて、その間に挟まれたわたしはイケメンのオナホ役をするために連れて来られたただのオナホだった。きっと、この細身のイケメンとガチムチは本当はゲイカップルなのだが、でもガチムチがゲイ一本であるのに対してイケメンはバイであり、時々はガチムチだけではなく女の子ともセックスをしたくなるのではないか。でも、ガチムチは自分の知らないところで例えチンコの出し入れだけとは言え浮気されることが耐え難いので、こうして痴漢を捕まえるふりをしては女をトイレに押し込み、イケメンに女をレイプさせているのではないか。奔放に性を求めるイケメンに対し、自分は犯罪の片棒を担いでまで求める脳内麻薬を与える手伝いをしてやるなんてなんと健気で可哀想なガチムチであろうか。あー、せやなせやな好きになったら負けなんやな。
「まもなく新開地ー、新開地ですー」
もはや妄想の中でガチムチに同情し始めたとき、なんと車掌はこの電車が終点に到着してしまうことを知らせた。わたしははっと目を開ける、まもなくホームに滑り込んでいった電車はゆっくり停車したあと、ぷしゅう、と扉を開けた。向かいのゲイは既に我先にと降車し、隣に座っていたイケメンもおもむろに立ち上がると、しゃなりしゃなりと優雅な歩き方をして降りて行った。その背中を消えるまで見届け、車両に残った最後の人になってしまったわたしもゆっくりと腰を上げた。ずいぶん長く乗車していたドアから出る、左手首の時計を見ると集合時間の九時を十五分過ぎていた。あー、これは遅刻ですなあ。反対側のホームへと足を動かしながら、膝から足首にしっかりと伝染したストッキングを睨み付ける。
