「ーー三谷!」

「は、はい……!」
「今の話聞いてたのか!?」

うわ、ちょっとボーッとしてた!

「き、聞いてました!!」

ドクン……心臓が強く脈を打つ。
そんな嘘、すぐにバレてしまう、けど、それだけじゃない。

これは……マズイパターンだ。

「はぁー……もういい! お前一人じゃ危なっかしいから、俺が一緒に探してやる。来い!」
「え!?」

強引に二の腕を掴まれ、デスクから引きずられるように扉に連れてかれる。

まずい、マズイマズイマズイ!!

またかぁーとニヤつく社員達を尻目に、私は別の不安を抱きながら隣の資料室に連行される。
ガタン、力強く扉を閉められると、少し奥に入って本棚に押し付けられた。

「ぶ、部長……っ!」
「いいから、黙って喰わせろよ」