仁side



蒼「もう!なんで起こしてくれなかったの?!」


風「あずさー、僕の朝ごはんは?」


瑠「俺のパンツどこ…」



んっ…



うるせぇ…。
こっちは昨日の暴走で疲れてんのに朝から慌ただしいな。


『なんの騒ぎだ。』


梓「あ、仁おはよ。コーヒー飲む?」


『ああ。んで、どうしたんだ?』



梓「なんかね、蒼也(ソウヤ)の出席日数がこのペースだとやばいってキレられたみたいで…」



「おい、蒼也!うるせぇぞ!」



蒼也の奴どんだけサボってんだよ。


「え〜だってしょうがないじゃん。あ、ねぇ風くんワックス貸して〜!」



「まぁ、雅人もしっかりしてるよね。自分も暴走族だっていうのに。」




そう、俺らはここら辺一帯を仕切っているNO.1暴走族の風龍だ。風龍は今じゃ数少ない正統派で、薬も一般人に手を出すのもご法度。無駄な、喧嘩はしない。訓練は欠かさないがな。



『ただでさえ勉強しないんだ。授業は最低限受けておくべきだろう。雅人、俺らも行く。』


「りょーかい。今日、剛、空いてるらしいけど車回す?」



『いい。バイクで行く。』




剛さんっていうのは、俺らもお世話になっている雅人の家のお手伝いさんで、噂によると数年前まで、族潰しをしていたらしい。



ふと横を見ると、まるで猫のようにでかい体を丸めて寝ている琉衣が見えた。


『おい、琉衣。起きろ、皆、学校行くぞ。』


「ん・・・・。行きたくない・・・。」


体をもぞもぞと動かし体制を変えようとする琉衣


「瑠衣、帰りに駅前のメロンパン買ってあげるから。」


「ほ、ほんとに!?行く!!」


子供をあやすように優しくかけた梓の言葉に目を輝かせて自室へと戻っていった。