(…涙も出ないや)
手も足も出なかった。
変われなかった。何よりそのことが蝶を打ちのめした。
ちっぽけな私なんかの力じゃ何も変わらない。
私がもっと可愛くて、溌剌としていたら、世界はもう少し明るい色をしていたのか。
なんて、埒もないことを考えた。
馬鹿みたいな私。馬鹿みたいな世界。
終わればいいのにと思うのに、視界の端にある柵を乗り越えるのには恐怖があって、自分が何がしたいのかも分からなくなる。
目尻からこぼれた涙がコンクリートの地面に落ちた。
「蝶!」
聞き慣れた声が響いた。
「……っ、た」
たかつき。
微かに息を継いで、そう呼んだ私の元に、何度も思い描いた高月の真剣な顔が見えた。
「なんで…来ちゃうのよ、馬鹿」
手も足も出なかった。
変われなかった。何よりそのことが蝶を打ちのめした。
ちっぽけな私なんかの力じゃ何も変わらない。
私がもっと可愛くて、溌剌としていたら、世界はもう少し明るい色をしていたのか。
なんて、埒もないことを考えた。
馬鹿みたいな私。馬鹿みたいな世界。
終わればいいのにと思うのに、視界の端にある柵を乗り越えるのには恐怖があって、自分が何がしたいのかも分からなくなる。
目尻からこぼれた涙がコンクリートの地面に落ちた。
「蝶!」
聞き慣れた声が響いた。
「……っ、た」
たかつき。
微かに息を継いで、そう呼んだ私の元に、何度も思い描いた高月の真剣な顔が見えた。
「なんで…来ちゃうのよ、馬鹿」

