思わず八つ当たりしかけて、そんな自分への嫌悪感でまたため息が増える。
鈍感な高月に、心の中で毒づいた。
(何が守る、よ)
くだらない、とそっぽを向いた蝶を、高月はしつこく問い詰めた。
「なんかあったなら言えよ」
「ない」
「…ほんとか」
「だから、ないって言ってるじゃん」
きつい言い草になってしまったことにはっとして、口を押さえる。
高月は、心外だといった表情をしていた。
「…なら、いいよ」
咄嗟に顔を上げた蝶が見たのは、強ばった背中だった。
「…っ…」
音を立てて閉じられた教室の扉は、まるで私達の間に出来てしまった溝を物語るようで。
言えなかった。
「まって……って…」
言いたかった。のに。
泣かないように引き結んだ唇が歪んで、顔を隠してうずくまる。
嗚咽がオレンジ色の部屋に響いた。
鈍感な高月に、心の中で毒づいた。
(何が守る、よ)
くだらない、とそっぽを向いた蝶を、高月はしつこく問い詰めた。
「なんかあったなら言えよ」
「ない」
「…ほんとか」
「だから、ないって言ってるじゃん」
きつい言い草になってしまったことにはっとして、口を押さえる。
高月は、心外だといった表情をしていた。
「…なら、いいよ」
咄嗟に顔を上げた蝶が見たのは、強ばった背中だった。
「…っ…」
音を立てて閉じられた教室の扉は、まるで私達の間に出来てしまった溝を物語るようで。
言えなかった。
「まって……って…」
言いたかった。のに。
泣かないように引き結んだ唇が歪んで、顔を隠してうずくまる。
嗚咽がオレンジ色の部屋に響いた。

